コラム

リゾートマンション71棟調査|70%が修繕積立金「国交省目安未満」——実名48棟リストと傾向【2026年8月】

全国71棟を調査し69棟でデータ取得、48棟が国交省目安未満だった調査の要点
調査対象71棟のうち69棟で単価を取得。48棟(69棟中約70%)が国交省ガイドラインの目安未満でした。

この記事の要点:当サイトが2026年7月に診断した全国のリゾートマンション71棟(修繕積立金データを取得できた69棟)のうち、48棟(70%)で、売出住戸の修繕積立金が国土交通省ガイドラインの目安(大規模マンションで190〜325円/㎡・月)を下回っていました。本記事は69棟の実測データから、目安未満48棟の実名リストと水準の分布、築年・価格帯との関係をまとめたものです(初出2026年7月23日・50棟版から71棟体制に合わせて同日更新)。

この記事の監修者

宮﨑一旗

宮﨑一旗

宅地建物取引士 / 連続起業家 / 株式会社ライフワンネクスト取締役

宅地建物取引士(登録番号:(神奈川)第129630号)。補助金SEOメディア「補助金プラス」運営、AIスタートアップAtlas株式会社共同創業者。不動産・住宅領域のSEO/LLMOコンサルティングと記事監修を行う。

プロフィールを見る

調査の概要と読み方

  • 対象: 当サイト掲載の71棟(湯沢圏・鬼怒川・熱海・湯河原・伊豆・箱根・軽井沢・草津・妙高・白馬・蓼科・山中湖・河口湖ほか)のうち積立金実額を取得できた69棟
  • 数値: 各棟の売出住戸1〜2戸の販売図面に記載された修繕積立金の実額を専有面積で割った円/㎡・月(2026年7月時点・各棟ページに出典リンクあり)
  • 比較基準: 国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の大規模マンション目安 190〜325円/㎡・月(20階以上の超高層は240〜410円/㎡)
  • 単価が低いこと自体は「悪」ではありません。積立残高が十分にある棟なら、月額単価の低さはむしろ所有者負担の軽さ=過去にきちんと貯めてきた管理の証拠であり、買い材料になります。修繕は約12〜15年周期で繰り返すため残高一周期分では完結しませんが、本調査が単価を比較軸にしているのは「残高が非公開の棟が大半」という現実での代理指標だからです。残高を公開している棟は当サイトでは残高を優先して評価します。
  • 注意: 目安未満=ただちに積立不足ではありません。過去からの積立残高が厚い場合や、購入時一時金で補完する方式の棟もあります。最終判断は各棟の積立残高と長期修繕計画(重要事項調査報告書)でしか行えません。

修繕積立金は高ければ良いわけではない

修繕積立金は「高いほど安全、低いほど危険」と単純には判断できません。国土交通省も、ガイドラインの目安は標準的な修繕工事費から算出した参考値であり、目安の範囲外でも直ちに不適切とは限らないと説明しています。高い単価は十分な備えの表れである一方、過去の積立不足を補う値上げ、段階増額方式、直近の大規模修繕、戸数・専有面積の違いを反映している場合もあります。反対に単価が低くても、残高が厚く、計画修繕を実施できている棟はあります。

判断時は月額単価だけでなく、修繕積立金残高、長期修繕計画、直近の修繕履歴、滞納額、徴収方式、値上げ・一時金・借入れの決議ををあわせて見ると実態が分かります。参考:国土交通省 マンション管理・再生ポータルサイトマンションの修繕積立金に関するガイドライン(PDF)

分布: 目安の半分未満が15棟

リゾートマンション69棟の修繕積立金単価の分布を示す棒グラフ
単価取得69棟の分布。100円未満は15棟、190円以上は21棟でした。

まず全69棟を単価帯別に見ると、目安下限190円/㎡・月までの距離が分かります。以下の表は横スクロール不要で、スマートフォンでは項目別カードとして読めます。

修繕積立金単価を取得できた69棟の分布
水準(円/㎡・月) 棟数 意味
100円未満 15棟 目安下限の半分未満。将来の増額・一時金の可能性を織り込む水準
100〜149円 20棟 目安下限の5〜8割弱
150〜189円 13棟 目安下限にわずかに届かない
190円以上(目安内〜超) 21棟 目安レンジ内または上回る

国交省目安未満の48棟(実名・昇順)

物件名、積立金単価、目安下限比、築年数、総戸数、当サイト判定を確認するリストの読み方
実名リストは単価だけでなく、築年数・戸数・当サイト判定を横断して読むと傾向が見えます。

48棟は積立金単価の低い順です。物件名を選ぶと棟別診断へ移動でき、公開情報の出典や価格推移も確認できます。

国土交通省ガイドラインの目安未満だった48棟(積立金単価の昇順)
物件名 エリア 積立金 目安下限比 築年数 総戸数 当サイト判定
西武ヴィラ苗場7号館 苗場 45円/㎡ 24% 41年 370戸 実勢下落
プレジール湯沢 岩原 47円/㎡ 25% 36年 313戸 要観察
車山高原スカイパークヴィラ2号館 車山高原 48円/㎡ 25% 36年 60戸 要観察
妙高パインバレーロジュマン1号館 妙高 50円/㎡ 26% 35年 127戸 要観察
ヴィクトリア・タワー湯沢 岩原 59円/㎡ 31% 34年 393戸 要観察
西武ヴィラ苗場9号館 苗場 62円/㎡ 33% 43年 431戸 実勢下落
西武ヴィラ苗場5号館 苗場 64円/㎡ 34% 46年 440戸 実勢下落
リセス山中湖 山中湖 65円/㎡ 34% 36年 64戸 要観察
リセス河口湖2番館(A棟・B棟) 河口湖 79円/㎡ 42% 36年 148戸 安定
ファミール・ヴィラ第2越後湯沢 岩原 84円/㎡ 44% 37年 480戸 要観察
西武ヴィラ苗場3号館 苗場 93円/㎡ 49% 48年 285戸 実勢下落
ライオンズマンション越後湯沢第2 越後湯沢 94円/㎡ 49% 39年 390戸 要観察
グランビュー北軽井沢 北軽井沢 96円/㎡ 51% 36年 373戸 要観察
妙高高原エトーレ赤倉 妙高 96円/㎡ 51% 35年 194戸 安定
ベルジューレ軽井沢 軽井沢 98円/㎡ 52% 23年 155戸 安定
ノエル苗場 苗場 100円/㎡ 53% 35年 254戸 要観察
西武ヴィラ苗場クリスタル1号館 苗場 100円/㎡ 53% 34年 533戸 要観察
パラシオン熱海 熱海 102円/㎡ 54% 52年 85戸 安定
フォレストヒルズ石打 石打・舞子 104円/㎡ 55% 36年 383戸 要観察
シェスタ苗場 苗場 110円/㎡ 58% 36年 196戸 要観察
ファミールヴィラ苗場タワー 苗場 112円/㎡ 59% 36年 276戸 要観察
ロイヤルヴァンベール蓼科9番館 蓼科 113円/㎡ 59% 33年 8戸 要観察
西武ヴィラ苗場2号館 苗場 113円/㎡ 59% 49年 128戸 実勢下落
ライオンズマンション石打丸山 石打・舞子 115円/㎡ 61% 36年 666戸 安定
エンゼルグランディア越後中里 越後中里 120円/㎡ 63% 34年 722戸 安定
エリゼ熱川 熱川 121円/㎡ 64% 35年 173戸 要観察
グランドフェニックス白馬 白馬 124円/㎡ 65% 7年 5戸 要観察
エンゼルシーサイド南熱海 熱海 125円/㎡ 66% 39年 260戸 要観察
アベイル河津 河津 137円/㎡ 72% 35年 51戸 要観察
ホワイトプラザ湯沢フォーレⅡ 越後湯沢 138円/㎡ 73% 35年 140戸 要観察
アドリーム草津 草津温泉 140円/㎡ 74% 36年 308戸 安定
ロイヤルアーク下田 下田 146円/㎡ 77% 36年 35戸 要観察
ホワイトプラザVプラージュ 越後湯沢 147円/㎡ 77% 33年 616戸 要観察
グランヴェール強羅 箱根 147円/㎡ 77% 36年 124戸 統計上の急落の疑い
パノラミック湯沢 岩原 148円/㎡ 78% 36年 461戸 要観察
エンゼルリゾート伊豆稲取 稲取 150円/㎡ 79% 37年 383戸 安定
セザール湯沢 岩原 152円/㎡ 80% 37年 134戸 要観察
バーデンファミリエ草津 草津温泉 154円/㎡ 81% 32年 356戸 安定
メルヴェール白馬 白馬 159円/㎡ 84% 23年 74戸 安定
妙高高原セレージュ新赤倉 妙高 159円/㎡ 84% 34年 106戸 要観察
ザ・グラン伊豆高原 伊豆高原 166円/㎡ 87% 34年 151戸 安定
ホワイトプラザ湯沢リヴィエール 越後湯沢 168円/㎡ 88% 36年 192戸 要観察
マンション南熱海 熱海 172円/㎡ 91% 49年 289戸 要観察
スポーツメント湯沢2 岩原 176円/㎡ 93% 36年 545戸 要観察
スパックス鬼怒川 鬼怒川温泉 178円/㎡ 94% 34年 190戸 統計上の急落の疑い
ランパーツ中里 越後中里 180円/㎡ 95% 36年 308戸 実勢下落
サニークレスト伊東 伊東 180円/㎡ 95% 33年 294戸 安定
シーアイヴィラ伊豆熱川 熱川 182円/㎡ 96% 37年 316戸 統計上の急落の疑い

データから見える3つの傾向

目安未満48棟の独自集計から見える築年数、管理状態、地域構成の3つの傾向
目安未満48棟を再集計すると、築年数の集中、判定のばらつき、地域構成の偏りが見えました。

ここからは上の実名48棟を当サイトが再集計した結果です。単価と管理状態の関係を、断定ではなく観察できた傾向として整理します。

独自集計:目安未満48棟の中央値は117.5円/㎡・月

  • 修繕積立金単価は平均119.1円、中央値117.5円/㎡・月。目安下限190円に対する比率の中央値は62%でした。
  • 築年数の中央値は36年。32〜38年に36棟(75%)が集中しており、設備更新期と重なる棟が多い構成です。ただし、築年数が単価の低さを引き起こしたと示すものではありません。
  • 目安未満でも当サイト判定が「安定」の棟は12棟(25%)。100円未満15棟の中にも3棟あり、月額単価だけでは管理・資産状態を判定できないことが分かります。
  • 苗場が9棟で全体の約19%を占めます。全国一律の傾向というより、調査対象の地域・物件構成の影響を含む点に注意が必要です。

集計対象:2026年7月時点の目安未満48棟。棟別ページの公開データを再集計した記述統計で、因果関係を示すものではありません。

1. 低価格帯の棟が目立つが、価格だけを原因とは断定できない

100円未満の15棟には、苗場・湯沢圏を中心に低価格で売り出される棟が複数あります。ただし、価格と積立設定は築年数、戸数、共用設備、過去の修繕・徴収方針にも左右されます。「安いから積立不足」と決めず、残高と長期修繕計画で個別に確かめる必要があります。

2. 築32〜38年に75%が集中している

目安未満48棟のうち36棟が築32〜38年です。外壁、給排水管、エレベーター、温浴設備などの更新需要が重なりやすい時期ですが、必要工事と実施時期は棟ごとに異なります。次回工事の内容と資金手当まで見ると実態が分かります。

3. 積立単価とサイト判定は一致しない

目安未満48棟のうち12棟は当サイト判定が「安定」でした。一方、積立単価が高くても、それが不足分を補う急な値上げであれば将来負担が軽いとは限りません。管理費との合計額ではなく、積立金の使途と残高、工事履歴は分けて読むと実態が見えます。

購入前に確認すべきこと

目安未満の棟を検討する場合は、仲介会社を通じて判断材料になるのは次の3点です。(1) 修繕積立金の残高と滞納状況、(2) 長期修繕計画と次回大規模修繕の資金手当(積立取り崩し・値上げ・一時金・借入れのどれか)、(3) 値上げ・一時金の総会決議の有無。各棟の詳細は本記事のリンク先(棟別診断ページ)にまとめています。

この物件の購入・売却を相談する

相談・査定は無料/原則48時間以内に返信/宅地建物取引士が対応

相談窓口: 株式会社ライフワンネクスト(東京都知事免許(1)第108568号・東京都渋谷区桜丘町23-17)。当サイト運営者の関連会社であり、媒介契約に至った場合は宅地建物取引業の報酬を受領します。相談は無料です。

この記事の監修者

宮﨑一旗

宮﨑一旗

宅地建物取引士 / 連続起業家 / 株式会社ライフワンネクスト取締役

宅地建物取引士(登録番号:(神奈川)第129630号)。補助金SEOメディア「補助金プラス」運営、AIスタートアップAtlas株式会社共同創業者。不動産・住宅領域のSEO/LLMOコンサルティングと記事監修を行う。

プロフィールを見る