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「リゾートマンションは買ってはいけない」「やばい」「負動産だ」——検索するとこうした言葉が並びますが、その根拠を実額で示した資料はほとんどありません。本記事は当サイトが収録する全国357棟・50,607戸の管理費・修繕積立金の実データを集計し、いくらかかるのか、どういう条件だと持ち続けられなくなるのかを検証したものです。一般論ではなく、棟ごとの数値と出典に基づいています。
この記事の監修者
宮﨑一旗
宅地建物取引士 / 連続起業家 / 株式会社ライフワンネクスト取締役
宅地建物取引士(登録番号:(神奈川)第129630号)。補助金SEOメディア「補助金プラス」運営、AIスタートアップAtlas株式会社共同創業者。不動産・住宅領域のSEO/LLMOコンサルティングと記事監修を行う。
プロフィールを見る「リゾートマンションは買ってはいけない」と言われる理由を数字で確認する
買ってはいけない・やめとけ・負動産といった評価は、次の3点に集約されます。当サイトの357棟のデータで、それぞれが事実かどうかを確認します。
- 「維持費が高い」→ 事実です。管理費+修繕積立金の中央値は月27,090円(年約31万円)。年に10泊しか使わないなら1泊あたりの固定費は約3万円になります
- 「価格が下がって売れない」→ 棟によります。保有コスト率が5%未満の棟が129棟ある一方、100%を超える棟が12棟あります。同じ「リゾートマンション」でも中身は正反対です
- 「廃墟のようになる」→ 管理次第です。修繕積立金が国交省目安を下回る棟が343棟中238棟(69%)あり、積立が薄いまま修繕を先送りした棟は設備が止まり、さらに売れなくなります。逆に大規模修繕や排水管更新まで公表している棟も実在します
つまり「リゾートマンションはやばい」のではなく、やばい棟と、そうでない棟があるというのが実データの結論です。見分ける方法は後述します。
維持費の実額は月2.7万円が真ん中、最も高い棟は月12.6万円
管理費と修繕積立金の合計(月額)が判明している346棟を集計すると、中央値は27,090円でした。年額にすると約33万円です。最も高い棟は月125,940円で、年間では約151万円になります。ここに固定資産税・温泉利用料・水道基本料が加わるため、実際の年間負担はさらに上振れします。
重要なのは、この金額が使っても使わなくても発生することです。年に10泊しか使わない場合、月2.7万円の棟でも1泊あたりの固定費は約3.3万円になります。当サイトの各棟ページでは、この「1泊あたりの固定費」を年10泊・30泊・60泊の3パターンで自動計算して表示しています。
安い物件ほど危ないという逆転が起きている——保有コスト率の分布
物件価格に対する年間維持費の比率(保有コスト率)を291棟で算出したところ、中央値は5.7%でした。ところが20%以上が37棟、100%以上が12棟あります。100%超とは、1年持っているだけで物件価格と同額の維持費が出ていくという意味です。
最も比率が高いのはランパーツ中里で285.5%。10万円で売り出されている住戸に対し、管理費等が月23,790円かかります。次いでファミール・ヴィラ苗場が247.9%、ノエル苗場が225.7%と続きます。共通するのは「価格が10万円まで下がっているが、維持費は下がっていない」という構造です。価格が安いことは負担が軽いことを意味しません。
10万円・100万円以下の格安物件は狙い目か
「リゾートマンション 10万円」「100万円以下」「格安」で探している方に、最も重要な事実をお伝えします。当サイトの集計では、10万円前後で売り出されている棟の多くが年間20〜28万円の維持費を必要とします。取得費は1年分の維持費より安いということです。
これは必ずしも「買うな」という意味ではありません。年に何十泊も使い、管理が機能している棟であれば、宿泊費と比べて合理的な選択になり得ます。逆に、ほとんど使わないのに保有だけする使い方では、価格の安さは何の助けにもなりません。判断の分かれ目は価格ではなく利用頻度と管理状態です。
0円で譲渡されるリゾートマンションが実在する
この構造が行き着く先が、無償譲渡です。編集部の調査では、西武ヴィラ苗場7号館の13階1LDK(約54㎡)が2023年4月に0円で掲載され、4日で成約と表示されていました。同じ掲載には管理費13,700円・修繕積立金2,100円・水道基本料1,386円(各月額)、固定資産税57,800円/年と記載されています。ダイアパレス苗場でも2022年に6階の2Kが0円で掲載され、157日後に成約と表示されました。
裁判所の競売記録でも同じことが起きています。当サイトが集計した過去3年の競売結果では、ロイヤルプラザ湯沢の53.79㎡の住戸が8,000円で落札されています。買い手が払うのは取得費ではなく、その後の維持費だからです。
修繕積立金が国交省目安に足りない棟が7割ある
国土交通省のガイドラインは、大規模修繕に必要な積立金の目安を月190〜325円/㎡としています。当サイトの343棟では中央値が139円/㎡で、目安を下回る棟が238棟(69%)ありました。積立金が薄い棟は、将来の大規模修繕時に一時金の徴収か、工事の先送りかを迫られます。工事を先送りした棟は設備が止まり、さらに売れなくなります。
ただし積立金の単価が低いこと自体が即座に危険なわけではありません。過去に十分な残高を貯めている棟なら、単価が低いのはむしろ保有コストの軽さです。判断に必要なのは残高ですが、積立金残高は公開Webにほぼ存在しません(当サイトの全棟調査で確認済み)。重要事項説明で示されます。
同じ「リゾートマンション」でも、エリアで答えが逆になる
ここまでは全国357棟をまとめた数字です。しかし実際の判断はエリア単位で変わります。当サイトが主要エリアごとに全棟を集計した結果は次のとおりで、保有コスト率の中央値が1.8%のエリアと143.6%のエリアが同じ「リゾートマンション」と呼ばれています。
- 熱海(40棟・4,763戸)——駅周辺の市街地は率1.8%と全国でも低い水準。ただし熱海市には別荘等所有税(延べ床1㎡あたり年650円)があり、管理費とは別に年数万円がかかります。
- 越後湯沢(湯沢町43棟・12,523戸)——駅前8.5%に対し、苗場143.6%・越後中里145.0%。価格差を生んでいるのは築年ではなく駅からの距離でした。
- 苗場(14棟・3,996戸)——14棟中11棟で年間維持費が物件価格を上回ります。10万円物件の実態はここに集中しています。
- 箱根(19棟・1,463戸)——維持費が価格を超える棟はゼロ。ただし戸別温泉の棟は温泉基本料が月7,700〜9,350円別途かかります。
- 山中湖(16棟・1,683戸)——固定資産税は価格に比例しません。100万円の棟で年22,800円、320万円の棟で年91,400円という実例があります。
「買ってはいけないか」の答えは、全国平均ではなく検討しているエリアと棟の数字で決まります。
買う前・売る前に確認できる4つの数字
- 保有コスト率——年間維持費÷価格。20%を超えるなら、その物件は「資産」ではなく「費用」に近づいています
- 修繕積立金の㎡単価と残高——単価だけで判断せず、残高と修繕履歴をセットで見ます
- 売出集中度——同じ棟で何戸が同時に売りに出ているか。高いほど「出たい人が多い棟」です
- 管理組合が機能しているか——滞納への法的措置、議事録の公開、大規模修繕の実施記録。当サイトは出典が取れた棟について記載しています
これら4つは、当サイトの各棟ページですべて公開しています。棟名で検索すれば、その棟の実額と判定が確認できます。
維持費が重い・手放したいと考えている方へ
すでに所有していて負担が重いと感じている場合、最初にすべきことは価格の把握です。当サイトの無料査定は、棟を選んで専有面積を入れるだけで、同じ棟の売出事例から概算レンジをその場で表示します(登録もメール入力も不要です)。その上で売却を検討する場合は、宅地建物取引士が無料で相談を承ります。売り方の問題で売れていないケースも実際にあります——詳しくは売れないリゾートマンションの売却実務をご覧ください。
よくある質問
リゾートマンションの維持費は年間いくらですか?
当サイトが集計した346棟では、管理費と修繕積立金の合計が月27,090円(中央値)で、年間約33万円です。ここに固定資産税・温泉利用料・水道基本料が加わります。最も高い棟は月125,940円(年約151万円)でした。
10万円で買えるリゾートマンションは買っても大丈夫ですか?
価格ではなく維持費で見ると判断できます。当サイトの集計では、10万円前後で売り出されている棟の多くが年間20〜28万円の維持費を必要とし、12棟では年間維持費が物件価格を上回っています。取得費が安いことは負担が軽いことを意味しません。
維持費が払えなくなったらどうなりますか?
管理費を滞納すると、管理組合から督促を受け、最終的には区分所有法59条に基づく競売を申し立てられる場合があります。当サイトが集計した裁判所の競売記録では、リゾートマンションが8,000円で落札された事例も確認できます。滞納する前に売却や無償譲渡を検討するほうが損失は小さくなります。
修繕積立金が安い棟は良い棟ですか?
残高次第です。過去に十分な残高を積んでいる棟なら単価が低いのは保有コストの軽さですが、残高が乏しいまま単価も低い棟は、大規模修繕時に一時金を求められるか工事を先送りすることになります。積立金残高は公開情報にほぼ存在しないため、重要事項説明で示されます。
リゾートマンションはやめとけと言われますが、買ってはいけないのですか?
棟によります。当サイトの291棟では保有コスト率の中央値が5.7%で、5%未満の棟が129棟ある一方、年間維持費が物件価格を上回る棟が12棟あります。「リゾートマンション」という括りではなく、保有コスト率・修繕積立金・管理組合の運営状態という棟ごとの数字で見ると判断できます。
リゾートマンションは負動産になりますか?
維持費が使用価値を上回った時点で、その所有者にとっては負担だけが残ります。当サイトが確認した実例では、苗場の住戸が0円で譲渡され4日で成約し、湯沢の住戸が競売で8,000円で落札されています。ただしこれは全棟に当てはまるものではなく、管理が機能し利用実態のある棟では通常の中古流通が成立しています。
いま持っているリゾートマンションを手放したいのですが、どうすればいいですか?
出発点は価格の把握です。当サイトの無料査定は、棟を選んで面積を入れるだけで同じ棟の売出事例から概算レンジを表示します(登録不要)。売却の進め方は売れないリゾートマンションの売却実務で解説しています。滞納が始まる前に動くほど、選べる手段が多く残ります。
集計方法と免責
集計対象は当サイト収録の357棟(2026年7月時点)。管理費・修繕積立金は各棟の出典(大手ポータルの建物ページ・売出住戸情報等)から取得した実額または70㎡換算値で、換算値の棟は各棟ページにその旨を明記しています。保有コスト率は年間維持費÷売出価格で、売出のある棟のみ算出しています。数値は取得時点のものであり、最新の金額は重要事項説明でご確認ください。本記事は特定物件の売買を勧誘するものではなく、投資助言でもありません。