旧法地上権と「2037年6月」——価格の安さの正体
ロイヤルヴァンベール蓼科9番館の売出は199万円(2LDK・71.52㎡・約9.2万円/坪)と、蓼科エリアの参考指数をさらに3割下回ります。ただしこの安さの前提は土地権利です。本物件は所有権ではなく旧法地上権(借地料月1,660円)で、売出情報に記載された借地期間は2037年6月まで。旧法借地権は正当事由がない限り更新が原則で直ちに退去となる制度ではありませんが、更新条件・更新料・地主との契約内容は重要事項説明で必ず確認すべき項目です。所有権のリゾートマンションと坪単価だけで比べると判断を誤ります。
価格199万円に対して年間維持費が約40万円——保有コスト率15%超
71.52㎡住戸の実例では、管理費17,200円+修繕積立金8,100円=月25,300円。これに温水器保守費1,430円・上下水道基本料5,500円・借地料1,660円が加わり、月額合計は33,890円、年間約40.7万円です。管理費・積立金だけで計算した保有コスト率は年15.3%で、購入価格の低さに対して維持費の重さが際立つ構造です。逆に言えば、売出価格はほぼ「維持費の前払い権」に近い水準まで下がっており、蓼科での長期滞在利用が具体的に決まっている人以外には割安とは言えません。
総戸数8戸の分棟形式——管理の単位は99戸
9番館単体の総戸数は8戸で、1993年6月築・PC造2階建。ロイヤルヴァンベール蓼科は1〜12番館・全体99戸の分棟形式で、日勤管理が入っています。全体では9件が売出中と集計されており(99戸比で約9%)、売り手が多い市場である点は価格交渉の材料になります。修繕積立金は約113円/㎡・月と国交省目安を下回り、2階建て低層とはいえ、長期修繕計画と棟別の修繕実施状況の確認は必須です。
編集部の診断
判定は「要観察」です。検討する場合の確認事項は、(1)借地契約の残期間・更新条件・更新料と地代改定の履歴、(2)積立金残高と修繕履歴(ポータル掲載からは大規模修繕の記録が確認できません)、(3)年間の総維持費約40万円に対して自分の利用日数が見合うか、の3点です。茅野駅から車で約40分・標高の高い立地のため、冬季の利用実務(凍結・除雪)も含めて現地確認をおすすめします。
