熱海のリゾートマンションは、90万円から18億円まで実際に売り出されています。当サイトが収録する熱海エリア40棟・4,763戸を1つの表に並べると、同じ「熱海のリゾートマンション」という言葉で呼ばれているものが、実際にはまったく別の2つの商品だとわかります。そして熱海には、他のエリアにはない「別荘等所有税」という固定費がかかります。40棟の実データ(管理費・修繕積立金・固定資産税・別荘税・温泉使用料の実額)を実名で公開します。
いま売り出し中の物件から探したい方は 熱海の棟一覧(売出・管理費データ) へ。この記事は「維持費と税が実際にいくらか・どの価格帯を選ぶべきか」を解説します。
この記事の監修者
宮﨑一旗
宅地建物取引士 / 連続起業家 / 株式会社ライフワンネクスト取締役
宅地建物取引士(登録番号:(神奈川)第129630号)。補助金SEOメディア「補助金プラス」運営、AIスタートアップAtlas株式会社共同創業者。不動産・住宅領域のSEO/LLMOコンサルティングと記事監修を行う。
プロフィールを見る熱海のリゾートマンションは、価格帯で別の商品になっている
収録40棟の最安売出はビラ自然郷マンションD棟の90万円、最高は築2017年のザ・クレストタワー熱海の18億円(29階・277.57㎡)。同じエリアで2,000倍の価格差があります。中身を見ると、価格帯によって買っている人も使い方も違います。
熱海は価格帯で別の商品——保有コスト率が2桁違う
収録40棟の最安はビラ自然郷マンションD棟の90万円、最高はザ・クレストタワー熱海の18億円。同じエリアで2,000倍の差があります。
管理費+修繕積立金は月2〜3万円台。価格が安いぶん比率が重くなる
月額は4〜7万円台。絶対値は高いが価格に対する比率は小さい
読み方
「維持費が高いから危険」はどちらにも当てはまらない
低価格帯は比率が重いという意味で、高価格帯は月額の絶対値が高いという別の意味で重くなります。
出典: リゾートマンションデータナビが収集した公開情報(2026年8月時点)。金額・条件は住戸と時期により異なります。
築1960〜1980年代の低価格帯(90万〜500万円)は、バブル期以前に建てられた保養所型の建物です。管理費+修繕積立金は月2〜3万円台で、価格が安いぶん保有コスト率(年間維持費÷価格)は7〜37%と重くなります。築2000年以降のタワー・ブランド系(5,000万円〜)は、都心の分譲マンションと同じ設計思想で、コンシェルジュや温泉大浴場を備えます。月額は4〜7万円台と高いものの、価格に対する比率は0.4〜1%台に収まります。
つまり「熱海のリゾートマンションは維持費が高いから危険」という一般論は、どちらの層にも当てはまりません。低価格帯は比率が重いという意味で正しく、高価格帯は月額の絶対値が高いという別の意味で重い。どちらの層を検討しているのかを先に決めると、見るべき数字が変わります。
熱海市内でも、地区によって別の相場が動いている
ひとくちに熱海と言っても、収録40棟の立地は3つの地区に分かれます。数字はそれぞれの保有コスト率(年間維持費÷最安売出価格)の中央値です。
熱海駅から歩ける市街地の棟は、率の中央値が1.8%と全国のリゾート地のなかでも突出して低い水準です。価格が維持されているため、維持費が価格に対して重くなりません。一方、熱海駅から車で15〜20分の南熱海(上多賀・下多賀・網代)は、価格が90万円台まで下がっている棟がある反面、率の中央値は7.3%に上がります。ビラ自然郷マンションD棟の37.4%はこの地区の棟です。伊豆山は2棟と少ないものの、いずれも1,000万円台以上を維持しています。
つまり「熱海が安い」と言われるときに指されているのは、多くの場合この南熱海側の相場です。駅前の市街地と同じ数字で語ると判断を誤ります。
全40棟の維持費と売出価格(2026年8月・実名)
年間維持費(管理費+修繕積立金の下限×12)が最安売出価格の何%にあたるか(保有コスト率)が高い順です。棟ごとに条件を揃えるため、この表では税や温泉使用料を含めていません。実額ベースの数値は各棟ページに掲載しています。
売出のない4棟(ガウス熱海桃山・ザ・パームショア熱海・レアージュ熱海・熱海パークマンション)は率を算出せず一覧から外しています。読み方は2つ。第一に、率は「最も安い売出住戸に、その棟の下限の月額を当てた」保守側の試算です。第二に、順位は「危険度」ではありません。上位は価格が下がりきった築古棟、下位は価格が高いタワー系というだけで、月額の絶対値は下位のほうが高い棟もあります。
熱海だけの固定費「別荘等所有税」——専有面積×650円では足りない
熱海市には、他のリゾート地にはない独自の税があります。別荘等所有税で、税率は延べ床面積1㎡につき年650円。1976年から続く法定外税で、2026年度から2030年度まで更新されています(熱海市 別荘等所有税とは)。
ここに落とし穴があります。市の説明にあるとおりマンションなど区分所有の家屋は共用部分の按分面積も課税対象になるため、パンフレットに載っている専有面積で計算すると実額に届きません。当サイトが確認した14件の実例では、課税された面積は専有面積の1.10〜1.72倍(中央値1.35倍)でした。
30㎡台のワンルームでも年2〜3万円、100㎡超なら年10万円前後です。管理費に換算すると月2,000〜9,000円ぶんの上乗せにあたり、物件広告の「管理費○円」だけで判断すると必ず見誤ります。
重要な例外があります。この税の対象は熱海市に住民登録がない所有者です(市県民税の申告がある場合も対象外)。つまり住民票を移して熱海に定住するなら、別荘等所有税はかかりません。セカンドハウスとして持つか、住民票ごと移すかで年間数万円の差が出るということです。
温泉は「管理費の外」に月1,500〜16,500円かかる棟がある
収録40棟のうち33棟に温泉大浴場があり、4棟は住戸内に温泉が引かれています。ここでも管理費とは別の費目が発生します。当サイトが確認した実額では、熱海パークマンションが月1,500円、熱海シティヴィラ咲見町が月3,000円、ロイヤルヴァンベール熱海伊豆多賀が月7,700円(必須)、住戸内温泉のヴィンテージ熱海・桃山が月16,500円でした。
月16,500円は年間198,000円で、これだけで築古棟1戸の年間管理費に相当します。自室の浴槽に温泉が引かれている価値をどう見るかの問題で、良し悪しではありません。ただし使わない月も定額でかかるため、月1回しか来ないなら大浴場方式の棟を選ぶほうが合理的です。
買ってよい人——価格帯ごとに損益分岐が違う
熱海は東京駅から新幹線で約40分、通年で観光需要があり、価格がゼロ円に張り付かない市場です。そのうえで、検討する価格帯によって判断基準が変わります。
価格帯ごとの年間コストと損益分岐
熱海は東京駅から新幹線で約40分、通年で観光需要がある市場です。そのうえで検討する価格帯によって基準が変わります。
管理費等30万円前後+固定資産税・別荘税10万円前後
月額4〜7万円台。都心のマンションを1戸余分に持つのと同じ負担
低価格帯の損益分岐
1泊1.5万円換算で年25泊
使用頻度が低いのに「安いから」で買うと、保有コスト率37%のような数字が現実になります。定住して住民票を移せば別荘等所有税が不要になり、築古棟なら年間コストの2割前後が消えます。
出典: リゾートマンションデータナビが収集した公開情報(2026年8月時点)。金額・条件は住戸と時期により異なります。
低価格帯(90万〜500万円)を検討するなら、年間コストは管理費等30万円前後+固定資産税・別荘税で10万円前後、合計40万円程度を見込んでください。1泊1.5万円の宿に換算して年25泊以上使うかが分岐点です。使用頻度が低いのに「安いから」で買うと、比率37%のような数字が現実になります。
高価格帯(5,000万円〜)を検討するなら、比率は1%以下で健全ですが、月額の絶対値が4〜7万円台になります。年間では80万円前後で、これは都心のマンションを1戸余分に持つのと同じ負担です。資産性を重視するなら、築年数の新しさと管理体制、そして熱海駅からの距離が優先順位の上位に来ます。
どちらの層にも共通して有効なのが、住民票を移すかどうかの検討です。定住すれば別荘等所有税が不要になり、築古棟なら年間コストの2割前後が消えます。
買う前チェックリスト(3つだけ)
- 別荘等所有税の実額——専有面積×650円ではなく、売主の納税通知書で実額を確認する。実例では専有面積の1.1〜1.7倍の面積に課税されている。
- 温泉費用の払い方——管理費に含まれるか、別途定額か。別途なら月額と、使わない月も発生するかを確認する。
- 同じ棟でも住戸で月額が違う——ピアレス熱海では同じ1階1LDK50㎡でも管理費21,500円と28,750円の2例がある。棟の平均ではなく、その住戸の実額で計算する。
いずれも当サイトの各棟ページ(熱海の棟一覧)で確認できます。値下げ・掲載終了は週次で検知しているので、気になる棟は各ページの「値下げをメールで見張る(無料)」に登録しておくと動きがあったときに通知が届きます。
よくある質問
熱海のリゾートマンションの管理費はいくらですか?
収録40棟の実額で、管理費+修繕積立金は月18,610円(熱海サニーハイツの最安例)〜125,940円(別邸桜乃庄の100.59㎡住戸)、中央値は月38,905円です。これに固定資産税・別荘等所有税、棟によって温泉使用料と水道基本料が加わります。
別荘税はいくらかかりますか?
熱海市の別荘等所有税は延べ床面積1㎡につき年650円で、マンションでは共用部分の按分面積も課税対象です。当サイトが確認した実例では30㎡台のワンルームで年2万〜2万8千円、100㎡超で年10万円前後でした。ただし熱海市に住民登録をして定住する場合は課税されません。
90万円のマンションは買いですか?
年間の維持費と税で40万円前後かかるため、2〜3年保有すると物件価格を超えます。年に25泊以上使う予定があるか、リフォームして貸す計画があるなら検討の余地がありますが、「安いから」だけで買う対象ではありません。
温泉付きの棟はどれくらいありますか?
収録40棟のうち33棟に温泉大浴場があり、4棟は住戸内に温泉が引かれています。ただし温泉使用料が管理費とは別に月1,500〜16,500円かかる棟があるため、総額で比較すると差が見えます。
定住はできますか?
熱海は通年で生活インフラが機能しており、定住されている方もいます。住民票を移せば別荘等所有税は不要になります。ただし棟によって給湯・暖房設備や駅からの距離が大きく異なるため、暖房方式と交通アクセスは各棟ページの物件概要に掲載しています。
データについて
本記事の数値は、当サイトが2026年7〜8月に大手不動産ポータル・仲介会社の公開ページから収集した熱海エリア40棟の実データです。管理費・修繕積立金は住戸により幅があるため下限〜上限で表記し、保有コスト率は「(管理費+積立金の下限)×12 ÷ 最安売出価格」で算出しています(税・温泉使用料は含みません)。固定資産税・別荘等所有税の金額は売出資料に記載された実例で、住戸ごとに異なります。売出価格は成約価格ではありません。売出状況は週次で変動するため、最新値は熱海エリアページと各棟ページをご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、投資・法律・税務の助言ではありません。