箱根のリゾートマンションは、100万円から4,980万円まで50倍の価格差があります。当サイトが収録する箱根エリア19棟・1,463戸のうち18棟に温泉大浴場または戸別温泉が付き、管理費+修繕積立金の中央値は月35,630円——同じリゾートマンションでも、10万円が並ぶ苗場とはまったく別の市場です。検索して出てくるのは仲介会社の物件一覧ばかりで、棟ごとの維持費が実際に何円か、温泉のある暮らしに何が上乗せされるかを書いた記事がありません。この記事は19棟の実データ(管理費・修繕積立金・温泉基本料・固定資産税の実例)を実名で公開します。
いま売り出し中の物件から探したい方は 箱根の棟一覧(売出・管理費データ) へ。この記事は「維持費はいくらか・温泉の隠れコストは何か・買ってよいか」を解説します。
この記事の監修者
宮﨑一旗
宅地建物取引士 / 連続起業家 / 株式会社ライフワンネクスト取締役
宅地建物取引士(登録番号:(神奈川)第129630号)。補助金SEOメディア「補助金プラス」運営、AIスタートアップAtlas株式会社共同創業者。不動産・住宅領域のSEO/LLMOコンサルティングと記事監修を行う。
プロフィールを見る箱根の市場は「壊れていない」——苗場との決定的な違い
リゾートマンションというと「10万円で買えるが維持費で損をする」という話が有名ですが、それは主にスキーバブル型のエリア(苗場・越後湯沢)の現象です。箱根は違います。収録19棟の最安売出は箱根マノウァールの100万円、最高は築2003年の東急リゾートヴィラ箱根仙石原SEOTOの4,980万円。年間を通じて需要がある観光地のため価格がゼロ円に張り付かず、「価格と維持費のバランス」で棟を選べる、リゾートマンションとしては健全な市場です。
その代わり、維持費は高めです。19棟の管理費+修繕積立金(下限)は月20,600円〜61,730円、中央値35,630円。温泉・大浴場・箱根の湿気と塩害に耐える外壁維持のコストが乗るためで、この「箱根価格」の中身を次の節から実名で見ていきます。
全19棟の維持費と売出価格(2026年8月・実名)
年間維持費(管理費+修繕積立金の下限×12)が最安売出価格の何%にあたるか(保有コスト率)が高い順です。率が高い棟は「価格に対して維持費が重い」ことを意味しますが、後述のとおり修繕積立金を誠実に取っている棟ほど高く見える点に注意が要ります。
読み方を2つ。第一に、率は「最も安い売出住戸に、その棟の下限の月額を当てた」保守側の試算で、住戸により月額は上がります。第二に、1位のマノウァールを除けば箱根の保有コスト率は1.4〜19%に収まり、「維持費が物件価格を超える」棟は19棟中ゼロ。11棟が100%超えだった苗場(苗場の分析記事)と比べると、市場の健全さの差がはっきり出ています。
温泉付きの本当のコスト——「管理費の外」に月7,700〜9,350円の棟がある
「箱根 リゾートマンション 温泉付き」で探す人が見落とすのがここです。温泉には2方式あります。大浴場方式(温泉の維持費が管理費に含まれる棟が多い)と、戸別温泉方式(自室の浴槽に温泉が引かれ、使用量に応じた基本料を別払い)です。
戸別温泉の実額は、フジタ第5箱根山マンションが温泉基本料月9,350円(5立米まで・超過524円/立米)、フジタヴェルデの森箱根山ヴィラが月7,700円(10立米まで・超過330円/立米)。いずれも使わなくてもかかる固定費で、年額では9〜11万円になります。「自宅の浴槽で毎日温泉」の対価としては妥当ですが、月1回しか来ないなら大浴場方式の棟を選ぶ方が合理的です。この費目は物件広告の「管理費」欄に含まれないことが多いため、内訳まで見ないと総額が読めません。各棟ページに実額を掲載しています。
修繕積立金——「高く見える棟」ほど誠実という逆説
国土交通省は修繕積立金の目安を月190〜325円/㎡としています(国土交通省ガイドライン)。箱根19棟の実額から㎡単価を出すと、ナイスシーン強羅360円/㎡・フジタ第5299円/㎡・ヴェルデの森288円/㎡が目安水準に達している一方、ニュー箱根ヴィレッジ62円/㎡・セレスト箱根仙石原63円/㎡は目安の3分の1です。
保有コスト率ランキングで上位に来たナイスシーン強羅やフジタ2棟は、まさに積立が厚いから月額が高い棟です。逆に率が低く見える棟の中には、積立が薄く将来の値上げ・一時金リスクを先送りしているだけの棟が混ざります。月額の安さで選ぶ前に、積立単価と大規模修繕の履歴が判断の分かれ目になります。
「売れない」と言われる箱根の物件の実態
「箱根 リゾートマンション 売れない」という検索が毎月260回あります。実データで言えば、箱根で売りにくいのは「維持費が月4万円級なのに価格が100万円台の棟」——買い手の年間負担が価格の2〜5割に達する物件です。一方で売出46件のうち大半は価格帯500万〜1,000万円・保有コスト率10%未満に収まっており、エリア全体が塩漬けになっているわけではありません。売れない構造の本体は棟の管理運営リスク側にあるので、詳しくは理事会・管理組合リスクの分析記事を参照すると分かります。
民泊はできるか——箱根は神奈川県で唯一の規制区域
箱根町は住宅宿泊事業(民泊新法)について、神奈川県条例で県内唯一の区域指定を受けています。箱根都市計画第1種観光地区の第1種低層住居専用地域では、3〜6月・8〜9月・10〜12月(各期間の初日正午基準)に営業できません(神奈川県の民泊条例)。加えてマンションの場合は管理規約が民泊を禁止していれば営業自体ができず、届出には規約の写しか管理組合の確認書類が必要です。当サイトの調査では、仙石高原マンションについて、県公表の届出住宅一覧に本棟のものとみられる届出(2戸)が掲載されているのを確認しています。民泊前提で買うなら、規約→県条例→収支の順で見ると判断できます。
それでも買ってよい人——「月3.5万円の温泉つきセカンドハウス」と読めるか
箱根の維持費中央値・月35,630円は、年間では約43万円。これに固定資産税(実例で年4〜12万円)が乗ります。単純な宿泊費換算では1泊1.5万円の宿に年30泊で釣り合う水準で、苗場のような「圧倒的に安い滑走拠点」の計算は成り立ちません。
それでも箱根が選ばれるのは、都心から90分・通年営業の観光地・温泉が自分の生活設備になるという3点が揃うエリアが他にほぼ無いからです。月1〜2回以上通う人、リモートワークの拠点を分散したい人にとっては「維持費=月3.5万円の温泉つきセカンドハウス代」として十分競争力があります。逆に年数回の観光だけなら、旅館に泊まる方が確実に安く済みます。
買う前チェックリスト(3つだけ)
- 温泉費用の払い方——大浴場方式か戸別温泉方式か。戸別なら基本料の月額と超過単価を確認する。
- 積立金の㎡単価——190円/㎡未満の棟は、積立残高と次期修繕計画を管理組合に質問する。
- 固定資産税の実額——箱根は評価額が残っており、実例で年4〜12万円と幅が大きい。売主に納税通知書を見せてもらう。
3つとも当サイトの各棟ページ(箱根の棟一覧)で確認できます。値下げ・掲載終了は週次で検知しているので、気になる棟は各ページの「値下げをメールで見張る(無料)」に登録しておくと動きがあったときに通知が届きます。
よくある質問
箱根のリゾートマンションの管理費はいくらですか?
収録19棟の実額で、管理費+修繕積立金は月20,600円(シャトージャスパーの実例)〜68,090円(ナイスシーン強羅の上位住戸例)、中央値は月35,630円です。戸別温泉の棟はこれに温泉基本料(月7,700〜9,350円)、多くの棟で水道基本料が加わります。
温泉付きで一番安く買える棟はどこですか?
2026年8月時点の最安は温泉大浴場つきの箱根マノウァール(100万円〜)ですが、維持費が月39,000円と重く保有コスト率は46.8%です。総負担のバランスでは箱根ヴィラハイツ(350万円〜・月22,000円)や、戸別温泉つきのフジタ第5箱根山マンション(298万円〜・ただし温泉基本料月9,350円が別途)が現実的な候補です。
定住はできますか?
管理規約で定住を禁止する棟は当サイトの収録範囲では確認していませんが、棟により給湯・暖房設備や買い物環境が大きく異なります。定住前提なら、管理人の勤務形態・冬季の水道・周辺のスーパーまでの距離を各棟ページの物件概要に掲載しています。
なぜ「売れない」と言われるのですか?
維持費が月4万円級の棟で価格が100万円台まで下がると、買い手の年間負担が価格に対して大きすぎて市場が細るためです。ただし箱根では「年間維持費が物件価格を超える」棟は現時点でゼロで、売出の大半は500万〜1,000万円帯で流通しています。
民泊で維持費を回収できますか?
箱根町の第1種観光地区では民泊新法の営業期間が制限され、さらに管理規約が民泊を禁止していれば営業できません。届出実績が確認できたのは収録19棟中1棟のみです。民泊収入前提の購入計画はおすすめしません。
データについて
本記事の数値は、当サイトが2026年7〜8月に大手不動産ポータル・仲介会社の公開ページから収集した箱根エリア19棟の実データです。管理費・修繕積立金は住戸により幅があるため下限〜上限で表記し、保有コスト率は「(管理費+積立金の下限)×12 ÷ 最安売出価格」で算出しています。売出価格は成約価格ではありません。売出状況は週次で変動するため、最新値は箱根エリアページと各棟ページをご確認ください。本記事は一般的な情報提供であり、投資・法律・税務の助言ではありません。