フジタ第5箱根山マンションは、箱根登山鉄道小涌谷駅から徒歩約12分に建つ総戸数82戸・1977年6月築(鉄筋コンクリート造7階建)のリゾートマンションです。共用大浴場ではなく各戸の浴室で温泉が使える「戸別温泉」方式で、2026年7月23日時点でエンゼル不動産に4件(298万〜380万円)、LIFULL HOME’Sに2件(300万・480万円)の売出が確認できます。編集部の診断は、坪15.9万〜22.3万円と箱根最安値圏で買える一方、温泉・水道基本料まで含めた月額固定費は約4.7万〜5.4万円に達し、保有コスト率は年12〜16%(基本料込みなら最大約21%)。「買値」ではなく「維持費」で判断すべき要観察物件、というものです。
売出は坪15.9万〜22.3万円。61.82㎡同型は16万円/坪前後に収れん
エンゼル不動産で確認できた売出4件のうち3件は同型の2LDK61.82㎡で、東向き298万円(15.9万円/坪)・東向き300万円(16.0万円/坪)・西向き380万円(20.3万円/坪)。残る1件は1LDK51.78㎡の350万円(22.3万円/坪)です。中央値は18.2万円/坪。本物件はマンションマーケット等の公開ポータルで参考坪単価が取得できず、指数との乖離判定はできません。LIFULL HOME’Sには3階61.82㎡で480万円の掲載もあり、同型でも値付けに1.6倍の幅があります。判定は「要観察」です。
保有コスト率は年12.2〜16.2%。基本料込みなら300万円の住戸で年約21%
2LDK61.82㎡の実例では、管理費23,730円+修繕積立金16,600円=月40,330円。これに戸別温泉の温泉基本料9,350円/月(5立米まで、超過524円/立米)と水道基本料2,200円/月が固定で加わり、月額固定費は約5.2万円になります。売出価格298万円の住戸なら、管理費+積立金だけで年約48.4万円(保有コスト率16.2%)、温泉・水道基本料まで含めると年約62.3万円で、保有コスト率は年約20.9%。5年持てば固定費が物件価格を上回る計算です。固定資産税も年約5.2万〜6.4万円かかります。この物件の検討は「298万円で買えるか」ではなく「年60万円超を払い続ける利用頻度があるか」から始めるべきです。
修繕積立金269〜299円/㎡は国交省目安内。修繕履歴も確認できる
修繕積立金は61.82㎡住戸で月16,600円(268.5円/㎡)、51.78㎡住戸で月15,500円(299.3円/㎡)で、国土交通省ガイドラインの目安(大規模マンションで190〜325円/㎡)の範囲内です。共用の大浴場・プールを持たない戸別温泉方式のため共用重量設備が少なく、2015年に大規模修繕工事、2021年に計画修繕工事の実施履歴も確認できます。築49年という年数は重いものの、積立水準と修繕履歴という管理面のシグナルは箱根の同世代物件の中では良好な部類です。管理はグリーンサービスへの全部委託(管理員日勤)です。
編集部の診断
判定は「要観察」です。82戸に対して売出4件(約4.9%)とやや売りが多く、61.82㎡同型が16万円/坪前後で複数並ぶ状況は、この価格帯でも買い手がすぐには付いていないことを示唆します。原因は物件の管理不全ではなく(積立は目安内・修繕履歴あり)、月5万円超の固定費と築49年という構造要因です。購入目線は同型の下値である坪16万円=300万円弱を基準とし、西向き380万円やHOME’S掲載の480万円には同型比での根拠説明を求めるべきです。確認すべきは、(1)温泉基本料9,350円/月を払う頻度で温泉を使うか(月1回なら1回9,000円超の温泉です)、(2)給湯・配管など専有部設備の更新状況、(3)長期修繕計画上の次回大規模工事と一時金の有無です。維持費を「別荘の会費」と割り切れる人にだけ、箱根最安値圏の選択肢になります。
