フジタヴェルデの森箱根山ヴィラは、箱根町二ノ平の森の中に21棟が点在する総戸数376戸・1987年7月竣工(棟により1985〜1990年、鉄筋コンクリート造3階建)の箱根最大級の低層リゾートマンション群です。全戸の浴室で温泉が使える「戸別温泉」と屋内プールを備え、2026年7月23日時点でエンゼル不動産にA〜S棟で3件(480万〜570万円)の売出が確認できます。編集部の診断は、実売出は相場指数とほぼ一致し、376戸に対して売出3件(0.8%)と需給も締まった「安定」圏。修繕積立金も国交省目安の範囲内を確保しており、箱根の大型リゾートでは数少ない「積立が目安水準に達している」物件。ただし温泉基本料7,700円/月の固定負担は必ず計算に入れるべき、というものです。
売出は坪22.0万〜26.0万円。相場指数とほぼ一致する安定圏
エンゼル不動産で確認できた売出3件はいずれも東系向きの2LDK(69.53〜72.5㎡)で、価格は480万〜570万円、坪単価は約22.0万〜26.0万円/坪(中央値24.7万円/坪)です。マンションマーケットの参考坪単価は27万円/坪(㎡単価8万円)で、実売出はこれをわずかに下回る位置に整然と並びます。同サイトの相場は3年前比・直近月比とも「変動なし」。過去の売買履歴は575件と流通実績も厚く、価格の付き方に不自然さがありません。判定は「安定」です。
保有コスト率は年8.6〜9.7%。温泉・水道の基本料を足すと約11%
2LDK69.53㎡の実例では、管理費17,636円+修繕積立金20,000円=月37,636円。72.5㎡では管理費20,287円+修繕積立金20,400円=月40,687円です。ここに戸別温泉の温泉基本料7,700円/月(10立米まで、超過330円/立米)と水道基本料2,750円/月が固定で加わるため、月額固定費は実質約4.8万〜5.1万円。売出価格520万円の住戸なら、管理費+積立金だけで年約45.2万円(保有コスト率8.7%)、温泉・水道基本料まで含めると年約55.7万円(同11.1%)に達します。固定資産税も年約8.9万〜9.3万円かかります。「500万円前後で買えて自室で温泉に入れる」ことの対価が、この月5万円弱の固定費です。
修繕積立金282〜288円/㎡は国交省目安の範囲内
修繕積立金は69.53㎡住戸で月20,000円(287.6円/㎡)、72.5㎡住戸で月20,400円(281.4円/㎡)です。国土交通省ガイドラインの目安(大規模マンションで190〜325円/㎡)の範囲内にしっかり収まっており、箱根エリアの大型リゾートマンションでは珍しく、目安水準の積立を確保しています。温泉は共用大浴場ではなく各戸配湯の戸別温泉で、温泉維持費が基本料として受益者負担になっている点も、管理会計の透明性という意味では好材料です。一方で築39年・低層21棟という構成上、外壁・屋根・配管の更新工事が棟ごとに長く続くため、長期修繕計画の消化状況は確認が必要です。
編集部の診断
判定は「安定」です。376戸に対してエンゼル不動産の売出はA〜S棟で3件(約0.8%)と売り圧力が小さく、実売出と相場指数の乖離もほぼありません。購入目線は中央値の坪24.7万円前後を基準に、70㎡2LDKなら500万円前後が相場中心、22万円/坪を切る出物があれば割安圏です。確認すべきは、(1)月約5万円(温泉・水道基本料込み)の固定費と年数回の利用頻度が釣り合うか、(2)検討棟の竣工年(1985〜1990年で幅がある)と大規模修繕の実施履歴、(3)3階建で棟内のエレベーター有無と部屋までの動線です。積立健全性と需給の締まりは箱根の大型物件で屈指ですが、保有コスト率が年10%を超える構造は他の箱根物件と同じであり、「使い倒せる人」向けの安定物件と言えます。