グランヴェール強羅は、箱根登山ケーブルカー中強羅駅から徒歩約3分に建つ総戸数124戸・1990年6月築(鉄筋コンクリート造6階建・地下1階付、A〜D棟)の大型リゾートマンションです。24時間利用できる温泉大浴場・露天風呂・サウナに屋内プール・テニスコートまで備え、2026年7月23日時点でエンゼル不動産に8件(480万〜2,200万円)の売出が確認できます。編集部の診断は、相場指数は3年で7万円/㎡下落と急落を示す一方、実売出の中央値41.6万円/坪は指数を上回っており、「統計上の急落の疑い」。ただし売出は総戸数の6.5%と多く、住戸間の価格差も4倍超で、個別住戸の見極めが決定的に重要、というものです。
売出は坪19.7万〜81.7万円。同じ建物で4倍超の価格差
エンゼル不動産で確認できた売出8件は480万〜2,200万円、坪単価は約19.7万〜81.7万円/坪(中央値41.6万円/坪)です。最安はD棟2階83.74㎡の500万円(19.7万円/坪)、最高値はB棟6階88.97㎡の2,200万円(81.7万円/坪)で、同じ建物内で4倍を超える開きがあります。マンションマーケットの参考坪単価は34万円/坪(㎡単価10万円)で、3年前比では7万円/㎡の下落。指数上は急落に見えますが、実売出の大半は指数を上回る価格で並んでおり、安値住戸が統計を押し下げている構図です。判定は「統計上の急落の疑い」です。
保有コスト率は年3.2〜13.4%。安い住戸ほど固定費が重い
1DK41.7㎡の実例では、管理費21,730円+修繕積立金6,110円=月27,840円(ほかに水道料約1,427円/月)。3LDK122.99㎡では管理費64,170円+修繕積立金18,030円=月82,200円です。売出価格480万円の1DKなら管理費等だけで年約33.4万円、保有コスト率は年7.0%。最安のD棟500万円の住戸は83.74㎡と広いため月55,950円がかかり、保有コスト率は年13.4%に達します。一方、2,200万円のB棟6階は年3.2%。「価格が安い住戸ほど、価格に対する固定費が極端に重い」という大型リゾートマンションの典型的な構造です。
修繕積立金147円/㎡は国交省目安を下回る
修繕積立金は41.7㎡住戸で月6,110円、122.99㎡住戸で月18,030円、いずれも㎡単価約147円です。国土交通省ガイドラインの目安(大規模マンションで190〜325円/㎡)を下回っており、24時間稼働の温泉大浴場・露天風呂・サウナ・屋内プール・テニスコートと維持重量級の共用設備を抱える築36年の建物としては、将来の値上げまたは一時金の余地を見込んでおくべき水準です。管理はグリーンサービスへの全部委託(管理員日勤7:30〜21:30)。A・B・D棟のエレベーターは1・2・5階のみ停止という特有の構造も、階選びの際は確認が必要です。
編集部の診断
判定は「統計上の急落の疑い」です。相場指数の3年7万円/㎡下落をそのまま「実勢急落」と読むのは早計で、実売出の中央値は指数より高い位置にあります。ただし124戸に対して売出8件(約6.5%)と箱根エリアでは売り圧力が強く、強気の値付けがそのまま成約する保証はありません。購入目線は北東・南西向きの中央値38.1万円/坪を基準に、36万円/坪以下なら割安圏、D棟500万円のような20万円/坪割れは「安い理由」(階数・眺望・室内状態)の確認を最優先すべきです。確認すべきは、(1)147円/㎡の積立で温泉・プール・サウナを維持できるか(長期修繕計画と積立残高)、(2)購入検討住戸の月額固定費と利用頻度の釣り合い、(3)エレベーター停止階の制約です。中強羅駅徒歩3分・設備フル装備という強みは本物ですが、その維持コストを124戸で割り続けられるかが本質的な論点です。
