フォーシーズンズフォレスト湯河原は、湯河原町宮上の高台に建つ総戸数100戸(管理人室・娯楽室・コミュニティホール各1戸含む)・2002年6月築(鉄筋コンクリート造10階建・地下1階付)のリゾートマンションです。サウナ付き温泉大浴場と1日9便のシャトルバスを備え、2026年7月22日時点でエンゼル不動産に6件(910万〜1,360万円)の売出が確認できます。編集部の診断は、築24年・積立金360円/㎡と管理体制は手厚い一方、売出は総戸数の6%と集中度が高く、月額5.4万〜8.8万円の管理費等が価格の重石になっている「要観察」圏の物件、というものです。
売出は坪34.4万〜62.7万円。階数と広さで値付けが大きく割れる
確認できた売出6件の価格は910万〜1,360万円、坪単価は約34.4万〜62.7万円/坪(中央値50.6万円/坪)です。高値側は5階65.86㎡の1,250万円(坪62.7万円)や6階58.03㎡の1,080万円(坪61.5万円)で、安値側は地下1階94.11㎡の980万円(坪34.4万円)、1階68.4㎡の910万円(坪44.0万円)。下階・大型住戸ほど坪単価が沈む構図がはっきりしています。マンションマーケットの参考相場単価は14万〜26万円/㎡(坪換算46万〜86万円)で、1年前比3万円/㎡・3年前比2万円/㎡の微減トレンド。安値側の売出は参考単価の下限を下回っており、判定は「要観察」です。
管理費等は月5.4万〜8.8万円。保有コスト率は年5.9〜10.7%
2LDK81.8㎡の実例では、管理費46,600円+積立修繕費29,400円=月76,000円。これに温泉購入料800円/月が加わり、トランクルーム併設住戸は使用料500円/月もかかります。固定資産税は同住戸の例で年約167,000円です(湯河原町のため、熱海市のような別荘税はありません)。売出価格1,360万円に対して管理費+積立金だけで年約91.2万円、保有コスト率は年6.7%。910万円の1階住戸では年8.4%、980万円の地下1階94㎡住戸では年10.7%に達します。㎡単価では管理費約570円/㎡+積立約360円/㎡と、リゾートマンションの中でも月額負担が大きい部類です。
積立金360円/㎡は国交省目安の上限超え。「積立不足」とは逆のリスク構造
積立修繕費は81.8㎡住戸で月29,400円(359.4円/㎡)、67.99㎡住戸で月24,500円(360.3円/㎡)と、国土交通省ガイドラインの目安(大規模マンションで190〜325円/㎡)の上限を上回る手厚い水準です。2021年10月には機械式駐車場の補修・解体工事を実施済みで、積立不足で設備が朽ちるタイプのリスクは小さいと言えます。裏を返せば、機械式駐車場52台・シャトルバス・温泉大浴場という固定費の重い設備を100戸で支えるために月額が高止まりしており、この負担水準が中古価格の上値を抑える要因になっています。温泉大浴場は加水・循環ろ過方式で通年5時〜24時、月曜・木曜は湯抜き清掃で利用時間が短縮されます。
編集部の診断
判定は「要観察」です。100戸に対して売出6件(6.0%)と売り圧力は高めで、湯河原駅から約3.7km・シャトルバスまたは車が前提の立地です。購入目線は中央値の坪50万円前後を基準に、下階・大型住戸なら坪40万円割れも視野に入ります。確認すべきは、(1)月額7万円前後の管理費等と利用頻度の釣り合い(定住・多頻度利用なら手厚い管理が生きるが、月1回の利用では割高)、(2)シャトルバスの運行継続方針と機械式駐車場の今後の維持計画、(3)売却時に同じ月額負担が買い手にも課される分、出口の流動性が限られる点です。管理の質を買う物件であり、コストを許容できる実需・定住層には合理的な選択肢ですが、値上がり期待で持つ物件ではありません。
